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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
だが、と、彼は小さく首を振った。
「あのような場所に淑媛を置いていては、余計に具合が悪くなる」
先刻見てきたばかりの牢内の風景を思い出してみる。じめじめして湿っぽい、昼なお陽もろくに差さず薄暗く、極めて不衛生だ。
「倒れたというのであれば、後宮に戻して養生させることはできないのであろうか」
黄内官は申し訳なさそうに言った。
「それは残念ながら、できかねます。しかしながら、ご安心下さい。淑媛さまの身柄は同じ義禁府内でも牢ではなく、きちんとした別室にお移しし、内医院の侍医が今、手当をしている最中と聞きました」
「あのような場所に淑媛を置いていては、余計に具合が悪くなる」
先刻見てきたばかりの牢内の風景を思い出してみる。じめじめして湿っぽい、昼なお陽もろくに差さず薄暗く、極めて不衛生だ。
「倒れたというのであれば、後宮に戻して養生させることはできないのであろうか」
黄内官は申し訳なさそうに言った。
「それは残念ながら、できかねます。しかしながら、ご安心下さい。淑媛さまの身柄は同じ義禁府内でも牢ではなく、きちんとした別室にお移しし、内医院の侍医が今、手当をしている最中と聞きました」