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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
黄内官が急ぎ支度を調えている。
「ハッ」
都承旨は恭しく頭を下げ、筆と硯が用意された文机に向かった。
ユンは淡々と言葉を紡いでゆく。
「かねて義禁府に身柄を拘束中の金淑媛はこのたび、王の子を懐妊した。そのため罪状の追及は今すぐ行わず、追って王命が下るまで、その身柄は後宮預かりとする」
「―!」
「―!!」
都承旨と黄内官は互いに顔を見合わせ、烈しい驚愕の表情を浮かべた。
「殿下!」
黄内官が何か言おうとするのに、ユンは鋭く言った。
「ハッ」
都承旨は恭しく頭を下げ、筆と硯が用意された文机に向かった。
ユンは淡々と言葉を紡いでゆく。
「かねて義禁府に身柄を拘束中の金淑媛はこのたび、王の子を懐妊した。そのため罪状の追及は今すぐ行わず、追って王命が下るまで、その身柄は後宮預かりとする」
「―!」
「―!!」
都承旨と黄内官は互いに顔を見合わせ、烈しい驚愕の表情を浮かべた。
「殿下!」
黄内官が何か言おうとするのに、ユンは鋭く言った。