この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
「黄内官、話なら後で聞く。今は王命を皆に伝える方が先だ」
「はい」
黄内官は頷き、口をつぐんだ。が、彼の顔には先刻より更に烈しい愕きが現れた。どうやら、そのハッとした表情から、ユンの意図を見抜いたらしい。
むろん、黄内官の顔からは愕きの表情はすぐに消えた。いつもの沈着な面で微動だにせず立っている。その傍らでは都承旨が流麗な手蹟で王命を巻紙に記していた。
「それでは、先刻、殿下が下された旨をここにしたためました。これを王命として朝廷の臣下一同に伝えます」
「はい」
黄内官は頷き、口をつぐんだ。が、彼の顔には先刻より更に烈しい愕きが現れた。どうやら、そのハッとした表情から、ユンの意図を見抜いたらしい。
むろん、黄内官の顔からは愕きの表情はすぐに消えた。いつもの沈着な面で微動だにせず立っている。その傍らでは都承旨が流麗な手蹟で王命を巻紙に記していた。
「それでは、先刻、殿下が下された旨をここにしたためました。これを王命として朝廷の臣下一同に伝えます」