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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離   
 案じられるのは、大殿前で廷臣たちが明姫追放を願い出ていることだが、国王さまに限って淑媛さまを遠ざけるようなことはしないと誰もが信じ切っている。
 ヒャンダンが明姫の笑顔を見て、つられるように笑顔になった時、扉の向こうから女官の声が聞こえた。
「淑媛さま、国王殿下のお越しです」
 その声に、明姫とヒャンダンは誘い合わせたように顔を見合わせる。
 明姫はヒャンダンに頷き、先に立って部屋を出た。回廊から階を降り、庭まで国王を迎えにいく。ヒャンダンがその後に続いた。
 庭は既に宵闇の底に沈んでいる。女郎花が黄色い可憐な花をひっそりと咲かせていた。
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