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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
その刹那、ユンは最愛の女の表情に仏を見たような気がした。或いは濁りきった泥池から凜とした気高い花を咲かせる蓮花。
「私ってば、相変わらず鈍感で。殿下が何故、今夜はお酒もお飲みにならず、沈んでいらっしゃるのかと不思議に思っていました。でも、先刻、やっと判りました」
明姫は晴れやかに微笑んだ。
「殿下は今夜、お別れに来て下さったんですね?」
「明姫」
ユンに皆まで言わせず、明姫は小さくかぶりを振った。
「もう、何もおっしゃらないで。明姫は殿下のお気持ちはこれでも理解できているつもりです。今夜、殿下はずっと私の眼をご覧になろうとしてしていなかった。あれで、ピンと来ました」
「私ってば、相変わらず鈍感で。殿下が何故、今夜はお酒もお飲みにならず、沈んでいらっしゃるのかと不思議に思っていました。でも、先刻、やっと判りました」
明姫は晴れやかに微笑んだ。
「殿下は今夜、お別れに来て下さったんですね?」
「明姫」
ユンに皆まで言わせず、明姫は小さくかぶりを振った。
「もう、何もおっしゃらないで。明姫は殿下のお気持ちはこれでも理解できているつもりです。今夜、殿下はずっと私の眼をご覧になろうとしてしていなかった。あれで、ピンと来ました」