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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
そのまま物想いに耽りそうになってしまうのに、背後から控えめに声がかけられる。
「殿下(チヨナー)、そろそろ急ぎませぬと、今日中に都に戻ることができませぬ」
いつしか馬を止めていたユンはハッと現(うつつ)に戻された。
「そなたの申すとおりだな。よし、ここからは先を急ごう」
ユンは想いを振り切るように頷き、馬の横腹に軽く蹴りを入れる。逞しい体軀の鹿毛はひと声いななくや、彼を乗せて、〝疾風(はやて)〟という名のごとく勢いよく走り始めた。
ユンの後をまだ若い内官がやはりこれも馬で付き従う。都の宮殿にあっては常に国王ユンに影のように寄り添い、衷心から仕えてくれる大殿(テージヨン)内官(ネーガン)黄孫維の息子維俊である。
「殿下(チヨナー)、そろそろ急ぎませぬと、今日中に都に戻ることができませぬ」
いつしか馬を止めていたユンはハッと現(うつつ)に戻された。
「そなたの申すとおりだな。よし、ここからは先を急ごう」
ユンは想いを振り切るように頷き、馬の横腹に軽く蹴りを入れる。逞しい体軀の鹿毛はひと声いななくや、彼を乗せて、〝疾風(はやて)〟という名のごとく勢いよく走り始めた。
ユンの後をまだ若い内官がやはりこれも馬で付き従う。都の宮殿にあっては常に国王ユンに影のように寄り添い、衷心から仕えてくれる大殿(テージヨン)内官(ネーガン)黄孫維の息子維俊である。