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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
円いふっくらとした月が紫紺の空に浮かんでいる。まるで黄翡翠(イエロージェイド)を夜空にはめ込んだような月は清らかな光を惜しみなく地上に注いでいた。すべてのものが月光の雫に洗われ、しっとりと潤みを帯びている。濡れたような艶やかな光を帯びた山茶花が得も言われず艶めかしい。
明姫が本堂に籠もって祈りを捧げ始めてから、かれこれ一刻になろうとしている。この二年間、明姫が心に抱き続けた願いはただ一つしかない。
―どうか、あの方のお歩きになる道が平らかでありますように。あの方がこの世を遍く照らす聖君となられますように。
明姫が本堂に籠もって祈りを捧げ始めてから、かれこれ一刻になろうとしている。この二年間、明姫が心に抱き続けた願いはただ一つしかない。
―どうか、あの方のお歩きになる道が平らかでありますように。あの方がこの世を遍く照らす聖君となられますように。