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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
与えられた小屋―住まいで眠りにつく夜、枕が涙で濡れていて目覚めることが何度もあったのだ。幼い頃から度々、明姫を苛んできたあの怖ろしい火事の夢よりも、最近ではユンの夢を見ることが多かった。
何もないただっ広い野原に一人佇み、明姫は泣いている。辺りは一寸先も見えないほどの濃霧が立ちこめていて、明姫はユンを探しているのに見つからない。哀しくて堪らなくて、すすり泣いている―そんな辛い夢ばかり見た。
「そなたが泣いている夢を見たんだ。周囲は一面の白い霧に包まれて見えないのに、何故か、そなたの泣き声が遠くから聞こえてくる。まるで心を引き裂かれてしまうような哀しげな泣き声で、居ても立ってもいられなくなった」
何もないただっ広い野原に一人佇み、明姫は泣いている。辺りは一寸先も見えないほどの濃霧が立ちこめていて、明姫はユンを探しているのに見つからない。哀しくて堪らなくて、すすり泣いている―そんな辛い夢ばかり見た。
「そなたが泣いている夢を見たんだ。周囲は一面の白い霧に包まれて見えないのに、何故か、そなたの泣き声が遠くから聞こえてくる。まるで心を引き裂かれてしまうような哀しげな泣き声で、居ても立ってもいられなくなった」