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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
「私なら、気にしないで。このまま待っても良いし、邪魔だというのなら、先に宮殿に戻っているから」
「邪魔などではない!」
 叫ぶように言われ、明姫は眼を丸くした。
「いや、済まぬ。大きな声を出してしまった」
 男は照れたように言い、躊躇いがちに続けた。
「頼みがある」
「なあに? 私でできることなら」
「膝枕を頼めるだろうか」
「―」
 咄嗟に言葉を失った。名前すら知らない男に膝枕を貸す。それは極めて親密な間柄の男女にのみ許される行為ではないのだろうか。少なくとも、明姫はそう信じてきたのだが。
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