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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味
 実際、これだけあれば、観玉寺に住む者皆が食べたとて、ゆうに二、三日は保つに違いない。この寺には住職の慈慶を初め、若い修行僧たちが数人、後は寺の細々とした雑用を務める寺男夫婦とその子どもたちで五人。それに居候という形で明姫が暮らしている。
 この十人余りで食べても、すぐにはなくならないくらいの大量の野菜である。
 この大根を近くの川で洗ってきたばかりのところなのだけれど、いかにせん、今年は野菜の出来が良かったと村人たちが嬉しげに語っていたとおり、一つ一つがすごぶる大きい。
 籠一杯に盛った大根を抱えて川まで往復するのは、華奢な明姫にはひと苦労である。昨日は白菜をすべて洗って、半分はキムチ用に取り分け、早速漬けておいた。青菜と人参は寺男の妻が担当してくれることになっているから、心配はない。
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