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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味
 もっとも、彼が国王だと判ってからは、ここまで軽口をたたき合うこともなくなった。でも、彼と出逢ったばかりの頃には、こんな感じで二人、顔を合わせれば痴話喧嘩の延長めいた会話ばかりしていた。
 不思議だ、見かけは全然似ていないはずなのに、慈鎮とユンはどこか似ている。春の陽だまりのような笑顔やさりげない優しさも、慈鎮の何もかもがユンを思い出させる。
 またもユンとの想い出に浸っている明姫の耳を、慈鎮の声が打った。
「明姫さまは後悔したことがおありですか?」
「後悔、ですか?」
 物問いたげな視線には何か意味があるような気がして、明姫は思わずうつむいた。
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