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第4章 本当の気持ち

「草野が酔っぱらったみたいだから、立花送って行ってやれ。同じ方向だろう？」

春馬がわざと俊樹さんに話を振って帰る方向で話を進め始めた。

「え――立花さん帰っちゃうんですか？まだいいじゃないですか。次の店も行きましょう？？」

篠原さんがわざと胸を押し付けながら甘えた声を出して誘惑する。

「そうですよ。せっかくご一緒できたんですからまだいいでしょう？…草野さん一人で帰れるわよね。大人なんだから」

今度は早坂さんが俊樹さんの後ろから抱き付きながら誘惑する。

「そうよね。大人なんだから一人で帰れるわよね。私たちはもう少し楽しんでから帰るから、草野さん、さようなら」

力強く睨みつける目からは「1人でさっさと帰れば？」と言われているような気がした。

「ですね…タクシーに乗れば大丈夫ですから…」

それに…他の女の人とべったりしている俊樹さんを見たくはなかった。
無理やり笑顔を作って席に置いていた荷物を取りにみんなの方に戻った。
私が先に帰ると言い出して篠原さんと早坂さんはご機嫌に俊樹さんと春馬に言い寄っていた。
もう見たくない…
その一心でその場を抜け出そうとした。