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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
「華?どうした?」

ずっと俊樹さんに抱き付いて離れない私を優しく問いかける。
私は何も言わずに抱き付いたまま。
ギュッと握りしめている腕に力を込める。

「華…間に合わなくなるよ」

腕を掴み離そうとする俊樹さんにイヤイヤと頭を振って離さない。
今日はいつもより甘えたで、一瞬でも離れたくなくて昨日の夜からべったりとくっついている。

「華…離れないとキスできないよ」

その一言で、俊樹さんの胸から顔を上げた。
そしてキスをする。
甘く…甘く…そしてせつなく…
執拗に俊樹さんの舌を追いかけて交わる。
昨日から何度キスをしただろう。
時間が許す限りキスをする。
恋人同士だったら抱き合って混じり合って愛を育むはず。
だけどまだ私たちは違う。
まだ恋人同士までにはなっていない。
Hをしないことを覗いてはもう恋人同士の毎日を過ごしていた。

「華…本当に遅れるから…」

名残惜しそうに唇が離れ、その口から零れる言葉が寂し。
寂しいと思ってるのは私だけなのか…

「3日後には迎えに行くから…我慢して?」

宥めるように優しく言われても…離れるのが辛くて頷けない。
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