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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い

─…

──…

───…

「また…泣いてる…」

揺り動かされて起きた私は、今日もまた涙を流していた。
この時期になると必ずと言っていい程、同じ夢を見る。
いつから見るようになったのか覚えていない。
そして、その内容も覚えていない。
けれど、悲しい思い、悔しい思い、寂しい思い、色々な感情が入り乱れる夢なんだと余韻が私に教える。

「同じ…夢を見てた…。覚えてないけど…」

私を起こしてくれた彼に抱きついて甘える。
この夢を見た後は、無性に人恋しくなる。
抱きしめて欲しくて、私だけを見て欲しくて、彼に縋る。
彼は私をギュッと力強く抱きしめて安心感をくれた。
けど、心は満たされない。
彼だけではない。
小さい頃から両親に抱きしめられても心が満たされることはなかった。
どこか未完成で。
どこか違っていて。
説明ができない感情が私の中にあった。

「満たされてないって顔」

彼が私の心を読んで私を満足させようと動く。

「ンンッ」

彼の手が花芽を弄りだす。
昨晩も愛し合った身体はお互いに裸で遮るものなどなかった。
執拗に花芽ばかりを責めて私の心を現実に引き戻し快楽で私を支配していく。

「華…こっち向け」

彼の言葉に従って顔を上げると、唇が重なった。
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