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遠い日の約束。
第6章 伝えたい想い
腕を掴まれても指先は動くから鈴口をクルクルと撫でる。

「ンッ…」

しかめっ面をしながらも感じている吐息が耳に届く。
感じてくれているのが嬉しくて、5本の指で優しく包み込み動かす。

「…しなくていいから」

諭すように言われてもやめるつもりはない。
私の手で…口で気持ちよくなってほしかった。

「されるの嫌い?」

「嫌いじゃないけど…フーッ」

我慢しているのか、深く深呼吸をする。

「だったら拒まないで?お願い」

上目遣いでお願いする。

「ねっ?」

「そんなお願いの仕方…どこで覚えたの?誰に教わったの?」

俊樹の手が私の頬に触れ、人差し指で私の頬を撫でる。
瞳の奥に見え隠れする嫉妬心が分かった。
だけど、誰に教わったかと言うと…

「彩ちゃん」

そう彩ちゃんに教わった。
ふたりでお父さんにおねだりする時にふたりでやっていた。

「彩ちゃん?」

「うん。欲しいものがある時に、お父さんに買って攻撃してたよ。彩ちゃん小悪魔だから」

「あの子は…華は覚えなくていいからね…他の男にしてもダメ…分かった?」

「俊樹限定だね」

そういうと、諦めたように項垂れる。
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