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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
「では、お願いします」

その一言で入口の扉が全て開かれ私たちは戻ることにした。
吊り橋は先程とは違って灯りがともり幻想的な空間に変化し、食事どころから見る景色とも違っていた。
俊樹と手を繋ぎ歩きながら、時には足を止め景色を堪能して馬車に戻った。
少しお酒が入り、酔っている私は俊樹の肩に頭を預けて馬車の揺れに眠気が襲ってくる。
うっつらうっつらしていると馬車は止まり、宿についたようだった。

「ありがとう」

「明日は7時50分ごろにお迎えにあがります。ではおやすみなさいませ」

「よろしくお願いします。」

そう挨拶をして私たちは部屋に入った。
ソファーに座ると一気に眠気が襲ってくる。
まだ寄り添っていたいのに、瞼は自然と下りていく。

「華…?ベッドで横になろう?」

今にも眠りに入りそうな私に声を掛けてくる。

「俊樹も…一緒?」

「…華だけだよ」

その一言で寂しくなる。
せっかく泊まってるのにひとりは嫌だ。

「そんな悲しそうな顔しないで。一緒に横になって何もしない自信ないんだから」

俊樹の手が私の髪を撫でて、切なそうに見つめてくる。
だったら、抱いて欲しい…
もっと俊樹を感じたい。
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