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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
「俊樹は、私のために飛び込んだんでしょう?必死に私を助けようとしてくれたんでしょう?」

「思い出したの?」

私の言葉に俊樹の顔が一瞬戸惑う。

「…ごめんなさい。覚えて…ないの。お母さんと彩ちゃんに聞いたけど…湖に落ちた記憶はないの……けどね。他のことは薄っすらとだけど思い出したの。俊樹と家出したことやお祭りに行った事…大好きな少し大きなお兄ちゃんと手を繋いで歩いてること…」

「そう…。どうして幼馴染だったのを秘密にしていたのか…ずっと後悔してた。全てが後悔の連続だった…どうして助けてあげられなかったのか、また苦しめてしまったと思うと…思い出されるのが怖かった…と思う。」

話を聞いて、なぜか大袈裟に思えてしまう。
小さかった頃の事で俊樹がそこまで責任を感じる事はないのに…

「覚えてないけど…誰も悪くなかったんでしょ?」

「二度と離してはいけない手を私は離してしまった…そしてまた怖い思いをさせた…」

「大袈裟だよ…俊樹がすぐに飛び込んでくれて必死に助けようとしてくれたって聞いた。そうじゃなかったらきっと私は助かってないって…どうしてそんなに自分を責めるの?」

俊樹の頬に涙が流れた。
その涙が何なのかわからない。
彼が何を思い何を怯えているのか分からなかった。
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