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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
「嫌ッ…」

引き離されてもキスをしようともがく私の名前を鋭く呼ぶ。

「華!!!」

その言葉で漸く我に返る。
我に返っても欲している感情は変わらず、この言いようのない疼きをどうにかしてほしかった。

「逃げないから…ずっと傍にいるから…焦らないで?」

俊樹の手が頬をなぞり、私の唇を人差し指でなぞる。
それだけで私の身体は反応した。

「欲しいの…欲しくて欲しくて…たまらないの…でも何が欲しいのか分からない…ここに俊樹がいるのに…いないの…。キスしてももっともっとって思って…もっと深く繋がりたくて…」

言葉にしても何を言っているのか自分でも分からない。
きっと俊樹にも伝わらない。
だって私が良く分かってないから。
これ以上何を求めているのか分からなかった…

「華…大丈夫。不安に思うなら不安に思わないほど愛してあげる…私だけを見て私だけを感じて?他の心など今はいらない…奥底にある想いなんて消してあげる」

「奥底にある…想い…?」

私が知らない想いを俊樹は知っている?
そんな気がしてならない。
だけど、今は深く考えたくはない。
今はこの何とも言えない気持ちを一刻も早く鎮めたい。
俊樹に愛されて満たされたい。

「今は私と繋がっていることだけを考えて…いや…考えられなくしてあげる」

そう言って、私の背中を支えながらベッドの上に横たえる。
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