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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
「えっ?」

俊樹の身体がビクッと動くのを感じた。
だけど私はそのまま夜空を見上げて続けた。

「葉月と美弥は出会ったかな?」

「……どういう…こと?」

俊樹の声が上擦っていたのに気付きもしなかった。

「死ぬ間際に来世では一緒になろうって約束したんだよね。見つけて欲しいって…葉月は美弥を見つけたかな?出会えて幸せになれたかな?」

夜空を見上げていたらそんなことを思ってしまう。
あの悲劇の伝説を聞いてずっと心に残っていたふたりの未来。
もし輪廻転生があるのなら必ず出会って幸せになってほしかった。

「……見上げている星は無数にあるよね。人だって無数の数だけ生きている。その中で私は華に出会えた。それは奇跡に近い偶然が重なって愛することができた。葉月と美弥も私たちと同様に奇跡が重なって出会えるはずだよ。ふたりの想いが強ければ強い程惹きつけられる…。きっと今頃は…こおやって抱きしめながら同じ夜空を見てるかもしれない…そしてこんな風に…」

私の頭に手を添えて振り向かせる。
そして唇が重なる。

「キスをして甘い夜を過ごしてるかもしれないね」

「そうだね…私たちみたいに愛をはぐくみ幸せであってほしい」

そう言ってまたキスをする。
満点の星空の下、誰にも憚れることもなく愛を囁き交わりあい、この上ない幸せな時を過ごす。
葉月と美弥も同じように愛に包まれた夜を過ごしていることを祈りながら、ふたりの情熱的な夜は続いた。
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