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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
「身体…大丈夫…?」

終われば、こうやって私の身体を気遣ってくれる。

「うん…大丈夫…」

一瞬ぎゅっと抱きしめて、私の中かスルリと抜ける。
簡単に後始末をすると私の横にごろりと寝転び腕を伸ばす。

「おいで」

その言葉に俊樹の腕に頭を乗せ、少しあげられた足の中に私の足を差込み抱きつく。
深呼吸をすると俊樹の匂いが私を安心させる。
腕枕をしている手で私の髪の毛をなぞりながら、背中をトントンと叩かれると簡単に眠りについてしまう。
これが日常。
俊樹とつきあいはじめて自然とできた流れだった。

「ねぇ…」

いつもは寝てしまう私は、ずっと言いたかったことを口にしようと意を決して口を開いた。

「どうしたの?」

髪の毛にチュッとキスをしながら私が話すのを待っていた。

「う…ん…。私たちがつきあってること…春馬に報告していい?」

髪を撫でていた手がピクッと動いて止まった。
抱きついているからどんな顔をしているのか分からない。
やっぱり…嫌だったのだろうと思うと、こんな甘い雰囲気で告げたことを後悔する。

「…ごめん…」

背中に回している腕に力を込める。
それと同時に、俊樹の手がポンポンと頭を軽く撫でる。

「謝らなくていいよ…いつ話すの?…」

少し弱々しい声に無理しているのが分かる。

「決めてないけど…俊樹が嫌なら言わないよ?」
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