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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
先ほど見せた表情は苦痛に歪んでいた。
今にも泣き出しそうな表情だった。
いや…きっと心は泣いていたと思う。
それほどまでに悲しい表情だった。
きっと自分の中で葛藤があったに違いない。
何もないと分かっていても一度芽生えた嫉妬は簡単には消えない。
だからと言って、何もなかったかのようには振舞えない。
自分の心の置きどころが分からない。
今の俊樹はそんな感じなんだと思う。
私は俊樹の横に座って彼を抱きしめた。
その身体が震えているのが伝わる。

「寝よう…」

背中を擦りながら伝えると、俊樹が顔を上げ無理して笑う。

「先に寝て…私はここで寝るから…」

「俊樹?」

「ごめん…ひとりにさせて…」

余りに寂しくて冷たい一言だったので何も言えなかった。
私は頷いて、寂しくベッドルームに移動した。
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