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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で
「おつかれ」
部長が音頭を取って私たちは乾杯をする。
部長は美味しそうにビールを一気に飲み干し上機嫌で2杯目を注文した。
その目の前に私と俊樹は座って、部長の顔色をうかがい、なぜか居心地が悪い。
俊樹も珍しく緊張しているようで先ほどから口数が少なく部長の話に頷くだけだった。
事の始まりは、数か月前に私が春馬に俊樹とのつきあいを報告したあの時に、部長につきあっていることを報告しておくんだなと言われた一言だった。
社員同士がつきあうことを部長に報告する義務はまったくないけど、どうしても春馬の一言が私や俊樹の心に残っていた。
だからふたりで報告しようと決めて今日になった。
夏の日差しが暑い夏。
ビールが美味しいこの季節に暑気払いを名目に部長を呼び出すことにした。
そしてふたりの目の前に美味しそうにビールを飲む部長が座っている。
「何緊張してるんだ…娘を嫁にやる心境だな」
アハハハッと笑いながら言うセリフはあながち間違っていない気がする。
この緊張感はどう考えても俊樹が両親に挨拶に来た、そんな感じだった。
部長が音頭を取って私たちは乾杯をする。
部長は美味しそうにビールを一気に飲み干し上機嫌で2杯目を注文した。
その目の前に私と俊樹は座って、部長の顔色をうかがい、なぜか居心地が悪い。
俊樹も珍しく緊張しているようで先ほどから口数が少なく部長の話に頷くだけだった。
事の始まりは、数か月前に私が春馬に俊樹とのつきあいを報告したあの時に、部長につきあっていることを報告しておくんだなと言われた一言だった。
社員同士がつきあうことを部長に報告する義務はまったくないけど、どうしても春馬の一言が私や俊樹の心に残っていた。
だからふたりで報告しようと決めて今日になった。
夏の日差しが暑い夏。
ビールが美味しいこの季節に暑気払いを名目に部長を呼び出すことにした。
そしてふたりの目の前に美味しそうにビールを飲む部長が座っている。
「何緊張してるんだ…娘を嫁にやる心境だな」
アハハハッと笑いながら言うセリフはあながち間違っていない気がする。
この緊張感はどう考えても俊樹が両親に挨拶に来た、そんな感じだった。