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第1章 運命の出会い

「そろそろ行きましょう」とフロアーに戻ることを進めて席を立った時にドアが開いた。

「立花君。みんなに紹介するよ。きてくれ」

立花さんを連れ出し、私はその後をついて朝礼が始まる場所に移動した。
このフロアーは10数名が席を置く営業部。
そして私みたいな営業補佐が5名の15名で成り立っている。

「紹介しよう。ニューヨーク支店から戻った立花君だ。バリバリのエリートだからな。負けるなよ。お前たち」

エリートを強調して社員にハッパをかける。
掛けられなくても、うちの営業課は優秀な人材ばかりで、部長のセリフはユーモアだとみんな分かっていた。

「立花俊樹です。ニューヨーク支社だからと言ってエリートとは限りませんよ。ただのグータラ営業マンかもしれません。期待は低いところから見守っていてください。」

謙虚に自分をアピールする。
その挨拶に社員たちは「はいはいはい」と完全にスルーしながら一人一人と握手をして軽く雑談を交わす。

「立花君の補佐は草野だ。そして、営業の方は、三宅。当分はお前に着かせる。日本の営業を教えてやれ」

三宅の名前にドキリと心が鳴る。
春馬と立花さんが握手をしているのを見て不思議な感覚が溢れてくる。
これは何なのか…分からなった。