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第1章 運命の出会い

「大丈夫です…」

そんな話をしていると、部長は「あとは任せた」と言って部屋を出ていった。
私は何をどうしていいのか分からず、挙動不審にも右往左往してしまう。
もともと社交的ではない。
どちらかというと人見知りに近い程、初対面の人と会話するのは億劫だ。
特に男性は苦手で、普通に会話ができるまでに時間を要する。
だから、今の状況…仕事とは言え、どうしていいのか分からなかった。

「緊張してますか？」

私の行動が面白かったのかクスクスと笑いながらソファーに腰を掛け、私にも座るように進めてくれたので部長が座っていた場所に腰を下ろして対面した。

「華さん…でいいですか？向こうではファーストネームで呼ぶことが多いので」

いきなり名前で呼ばれ、驚いてしまった私はただ頷いた。

「では華さん。私は俊樹と呼んでください。と言いたいところですけど…無理でしょうね」

「あっ…はい…名字で呼ばせてもらいます…」

名前で呼ぶことを強制される前に必死で言葉を絞り出した。

「だろうと思いました。華さんはおいくつですか？」

「26歳です…」

「…私の4つ下なんですね。あの時は、どこかからの帰りだったんですか？」

「はい…」

立花さんにプライベートの事を色々聞かれて私はただ頷くか必要な事だけを口にした。
15分ぐらいすれば9時になり仕事はじめのメロディーが流れ出した。