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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
─…
──…
───…
「もしもし…遅くに申し訳ありません」
『いや…それより華は大丈夫なのか?』
「ええ…強制的に眠らせましたから…」
『そうか…で、あいつに何されたって?』
「……キスをされて…その後は…指を……入れられて……三宅さんが、見つけてくれて助かりました」
『いや…俺もただ通りかかっただけだ…』
「…」
『…』
「…」
『…明日…立花は華についててやってくれ。あいつのことは部長に相談してどうにかする』
「いえ…私も行きます」
『お前はくるな…冷静ではいられないだろう?明日は金曜日だ。土日入れて3日。3日で話をつける。』
「三宅さんは冷静でいられるんですか?私は…あいつを殺してやりたい」
『俺もそうだ…立花には悪いが一度は愛した女だ…泣かせる奴は容赦はしない。それより…華の方が心配なんだよ。お前を裏切ったと自分を責めてた…ひとりにはしたくない。かと言って会社に来させるわけには行かない…だから、明日はお前が華の傍にいてやってほしい』
「……分かりました…何かあったら連絡ください」
『ああ…。…立花…華を責めるなよ』
「分かってますよ。華が悪いんじゃない。悪いのは……華が心配なので戻ります」
『ああ。またな』
そんな会話がふたりの間でなされてるなんて知らなかった。