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遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
それにどこかで覚えている。
激しく俊樹に抱かれたことを。
何度も何度もイキ、愛を囁かれ、愛されたことは覚えている。

「俊樹…やりすぎ…って仕事!!」

こんな場合じゃないと起き上がろうとしても身体が言うことを聞かなった。
身体がこんなになるまで私を抱くのは珍しい。

「大丈夫。休むって連絡入れたから…日曜日までゆっくり過ごそう?もっと華を愛したい…もっと華を抱いていたい…」

いつも以上に甘える俊樹に不安を覚える。

「俊樹…?何かあった?仕事でイヤなことでもあった?」

いつも私の体を一番に考えてくれる俊樹に何かがあったのは間違いなかった。

「何もないよ…酔っ払った華が…可愛くてね…いつも以上にねだるから…さすがに私も男だから、抑えるってことができなかった…ごめんね。だから今日はこのまま…もっと華を愛したい」

チュッと優しくキスをする。
まだするの?と顔を向ければ

「とりあえずは、このままでいい…華の温もりに抱かれていた」

そう言われて、私は俊樹を抱きしめた。
何も纏ってない肌のふれあいは安心する。
ギュッと少し強く抱きしめると俊樹も抱き返してくれる。
それでいい…
このまま俊樹の肌に触れて俊樹だけを感じて生きていきた。
他の男なんて…

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