この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遠い日の約束。
第10章 記憶の破片
歩道の真ん中で話していると後ろから部長が声をかけてくる。
「どうした?何かあったか?」
部長の顔を見てホッとしている自分がいた。
「一緒に行くぞ」
いつものように私の頭をワシャワシャと撫で、俊樹の背中を軽く叩いて三人並んで歩き出した。
先ほどまで動かなかった足は嘘のように動いて会社に向かった。
だけど、会社に向かう足が重いのは変わりはない。
あれだけ好きだったのにどうしてなのかと考えながらエレベータに乗った。
そしてドアが開いた。
どうしても一歩がでない。
でなければ行けないのに、足は言うことを聞いてくれない。
「草野…大丈夫だ。行くぞ」
「華…一緒に行こう?」
ふたりが私に話しかけてくれた。
「草野。さっさとこいよ。仕事始まるぞ」
営業部のドアを開けて春馬が声をかけてくれる。
―――私は大丈夫…
そう言い聞かせて一歩足を踏み出した。
何が怖いかなんて分からない。
どうして足が重いのかもわからない。
だけど、きっと大丈夫。
私には俊樹も部長も春馬もいる。
「どうした?何かあったか?」
部長の顔を見てホッとしている自分がいた。
「一緒に行くぞ」
いつものように私の頭をワシャワシャと撫で、俊樹の背中を軽く叩いて三人並んで歩き出した。
先ほどまで動かなかった足は嘘のように動いて会社に向かった。
だけど、会社に向かう足が重いのは変わりはない。
あれだけ好きだったのにどうしてなのかと考えながらエレベータに乗った。
そしてドアが開いた。
どうしても一歩がでない。
でなければ行けないのに、足は言うことを聞いてくれない。
「草野…大丈夫だ。行くぞ」
「華…一緒に行こう?」
ふたりが私に話しかけてくれた。
「草野。さっさとこいよ。仕事始まるぞ」
営業部のドアを開けて春馬が声をかけてくれる。
―――私は大丈夫…
そう言い聞かせて一歩足を踏み出した。
何が怖いかなんて分からない。
どうして足が重いのかもわからない。
だけど、きっと大丈夫。
私には俊樹も部長も春馬もいる。