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遠い日の約束。
第11章 情と愛
俊樹はまだイッてないはずなのに、首元に顔を埋めて荒い息を繰り返す。

「私…大丈夫…だよ…。俊樹もイッてほしい…」

責め続けられると辛いけど、俊樹に我慢をさせているほうが嫌だった。

「大丈夫…」

そう言って、身体を離し、私の中から抜け出した。
抜ける瞬間が寂しくて、俊樹の腕をギュッと握りしめる。
簡単に後処理をしてベッドに潜り込み抱きしめてくれる。
それに縋るように、抱きしめられた。

「身体は大丈夫?辛くない?」

いつも終われば、そう言って気遣ってくれる。

「うん…俊樹は?イカなかったけどいいの?」

「こうおやって華を抱きしめていれば十分幸せだよ…」

わざとギュッと抱きしめて存在を示してくれる。
どうして、こんなにも優しいんだろうと思う。
そんなに優しくされる資格はないのに…
資格はないの…?
分からない。
優しくされればされるほどそう思う…

「ねぇ…お願いがあるんだけど…」

考え込んでると俊樹が言いにくそうに口を開いた。
珍しいなぁと思いながら、俊樹の胸から顔を上げた。

「どうしたの?」

「う…ん…。明日なんだけど…お弁当ひとつ作ってくれる?」

言いにくそうだったから、もっと違うことだと思っていた私は少し拍子抜け。
お弁当が1つ増えても問題はない。
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