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遠い日の約束。
第2章 動き出し運命
「草野。先週頼んでた書類できてるか?」
春馬が私の名前を呼ぶ。
もちろん、プライベートじゃないから華とは呼ばない。
「はい。できてます。」
机の引き出しからファイルを取り出して、頼まれた書類を渡した。
書類を渡す瞬間、私の手に春馬の手が触れた。
それはわざとで、いつものスキンシップだった。
けれど、それは今の私には辛い…
それが顔に出ていたのか、春馬は私の頭をくしゃくしゃと触った。
「サンキュー。じゃ、行ってくる」
「いってきます。」
春馬の声の後に立花さんが妙な顔をして私に挨拶をして春馬の後を着いて出ていった。
その後ろ姿をただ見送た。
それから、毎日のように春馬は自分の得意先廻りに立花さんを同行させた。
冬空の下、外回りから戻ってくる彼らは寒そうに身を縮めてフロアーに戻ってくる。
私は急いで給湯室でお茶を入れて2人の元にそれを届ける。
「おつかれさまでした」
「「ありがとう」」
温かいお茶を飲みながら、そのまま仕事の打ち合わせに入っていた。
私は迷惑がかからないように自分の席に戻って頼まれた仕事をこなした。
17時30分。
終礼のメロディーが鳴る。
背伸びをして懲り固まった筋肉をほぐす。
急ぎの仕事がない今日は定時で上がろうと帰りの支度を始めたところに春馬から声がかかった。
「草野。今日暇?」
春馬が私の名前を呼ぶ。
もちろん、プライベートじゃないから華とは呼ばない。
「はい。できてます。」
机の引き出しからファイルを取り出して、頼まれた書類を渡した。
書類を渡す瞬間、私の手に春馬の手が触れた。
それはわざとで、いつものスキンシップだった。
けれど、それは今の私には辛い…
それが顔に出ていたのか、春馬は私の頭をくしゃくしゃと触った。
「サンキュー。じゃ、行ってくる」
「いってきます。」
春馬の声の後に立花さんが妙な顔をして私に挨拶をして春馬の後を着いて出ていった。
その後ろ姿をただ見送た。
それから、毎日のように春馬は自分の得意先廻りに立花さんを同行させた。
冬空の下、外回りから戻ってくる彼らは寒そうに身を縮めてフロアーに戻ってくる。
私は急いで給湯室でお茶を入れて2人の元にそれを届ける。
「おつかれさまでした」
「「ありがとう」」
温かいお茶を飲みながら、そのまま仕事の打ち合わせに入っていた。
私は迷惑がかからないように自分の席に戻って頼まれた仕事をこなした。
17時30分。
終礼のメロディーが鳴る。
背伸びをして懲り固まった筋肉をほぐす。
急ぎの仕事がない今日は定時で上がろうと帰りの支度を始めたところに春馬から声がかかった。
「草野。今日暇?」