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遠い日の約束。
第11章 情と愛
「朝食の…準備してるの…春馬に食べて欲しくて…」

言い訳をするかのように説明する。

「うん…少しでも食べさせた方がいいね…」

カウンターの椅子に座りながら俊樹は優しい笑顔を私に向ける。
何もなかったかのように、私に接する。

「華に相談なんだけど…」

「何?」

相談といいながら、まだ何かを考えているようで言葉を探している様に思えた。

「三宅さんの夕飯…つくってやってほしい…。」

聞かされた相談事に驚きながらも、それはそれでうれしかった。
関わるなと言われても仕方がない状況で、俊樹は春馬を心配する。

「もちろん…ふたりっきりになるのは…無理だけど…華には面倒かけるけど…お弁当って形で作ってやってほしい」

それが俊樹の引いた線引き。
これ以上、わがままは言えなかった。
毎日、ここに来て夕食を作ってあげたいなんて言えるはずがなかった。

「いいよ。毎日お弁当つくってるからひとつ増えるぐらい平気。」

私の一言に、ホッとした表情をする。
そしてまた重い沈黙が流れていた。
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