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遠い日の約束。
第12章 それぞれの想い
「華の言うとおり…初めは許せなかった。嘘までつかれたことに腹もたった。離婚まで考えた…けど…。あいつ言ったんだ」

春馬は奥さんと話したことを思い出しながら、優しい表情で語った。

『寂しかった。傍にいたいのに貴方の中には他の女性がいた。その女性に叶わないと思った…だけどそれでも手離すことができなかった。二番目でもいいから傍にいたかったの。…子供ができた時、これで貴方が戻ってきてくれるってうれしかった。貴方の子供じゃないのに貴方の子供だと偽る私にどんな罰が待っていようと、それでも貴方を取り戻せるならどんな罰でも受ける覚悟はあった。……こんなにも好きなのに…愛してるのに…私は貴方を傷つけてばかりよね…泣かせたいはずじゃないのに…ごめんね…。もう…私の事はいいから…今までありがとう』

「そう言って笑ったんだ…正直、そこまで俺の事を思ってくれているとは思いもしなかった。一緒にこっちにでてきてほしいと頼んだ時に親の介護があるとか色々理由をつけて来たがらなかったから愛情はないと勝手に決めつけていた。だけど違ったんだ。彼女はちゃんと俺を愛してくれていた。だけど俺は……。寂しくなるよな。近くに優しくしてくれる人がいたら縋りたくなるよな…そう思うと彼女だけを責められなかった。寂しい思いをさせたのは俺だから。彼女の気持ちを理解しようともせず俺は俺で愛する人を見つけて幸せに暮らしていたから…」

「…私の…せい…?」
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