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遠い日の約束。
第12章 それぞれの想い
少し話しただけで寂しくなる。
いつも一緒だったこの部屋はひとりでは広すぎる。
「俊樹…この部屋…ひとりには広すぎるよ…」
ソファーに座ったまま電話を切った寂しさからポロリと涙が零れ落ちる。
切れてしまったスマホを見つめながらただ静かに涙する。
電話での愛の語らいに心躍り、スマホを切った後の寂しさから私は気付かなかった。
忍び寄る足音にも気がつかず、声をかけられ抱きしめられるまで、私以外の人物がこの部屋にいるなんて……気がつかなった。