この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遠い日の約束。
第14章 想いの深さ
「よかった…無事でいてくれてよかった…」
自然と出てくる安堵の言葉。
私の存在を感じてもらうために、ギュッと抱きしめる。
「…俊樹…私…は誰?」
華の言葉にハッとする。
顔を見れば、心もとない、不安げな表情をしていた。
──私は誰…
華はどこまで思い出した?
自分の過去を…前世をどこまで?
言いようのない不安が襲ってくる。
今回のことで思い出したのかもしれない。
だけど、今の出来事と、昔の出来事が合わさったとき、華の心はどうなる…
「…俊樹…私は…誰なの?」
「華…華…?」
抱きしめていた腕がずっしりと重くなる。
華が意識を飛ばし始めていることが腕から伝わった。
ただ、意識を無くすだけならいい。
もし、あの時の記憶に引きずりこまれたら?
その瞬間、ある風景が頭の中に浮かびあがる。
燃えるほど赤い夕日を浴びながら美弥が葉月にかけた言葉…
『あなたは誰…』
あれは美弥じゃない。
あれは…
「…美弥…お願いだから…華を連れていかないで…」
咄嗟に美弥の名前を呼ぶ。
華を引きずり込まないで。
華にあの忌まわしい過去を思い出させないで
華を…
「返して…」
しかし、私の想いなど届かない。
華はそのまま瞳を閉じて意識を飛ばした。
「華!!華!!目を開けて!華!!」
華を抱きしめて何度も名前呼ぶ。
それでも華が目を覚ますことはなかった。
自然と出てくる安堵の言葉。
私の存在を感じてもらうために、ギュッと抱きしめる。
「…俊樹…私…は誰?」
華の言葉にハッとする。
顔を見れば、心もとない、不安げな表情をしていた。
──私は誰…
華はどこまで思い出した?
自分の過去を…前世をどこまで?
言いようのない不安が襲ってくる。
今回のことで思い出したのかもしれない。
だけど、今の出来事と、昔の出来事が合わさったとき、華の心はどうなる…
「…俊樹…私は…誰なの?」
「華…華…?」
抱きしめていた腕がずっしりと重くなる。
華が意識を飛ばし始めていることが腕から伝わった。
ただ、意識を無くすだけならいい。
もし、あの時の記憶に引きずりこまれたら?
その瞬間、ある風景が頭の中に浮かびあがる。
燃えるほど赤い夕日を浴びながら美弥が葉月にかけた言葉…
『あなたは誰…』
あれは美弥じゃない。
あれは…
「…美弥…お願いだから…華を連れていかないで…」
咄嗟に美弥の名前を呼ぶ。
華を引きずり込まないで。
華にあの忌まわしい過去を思い出させないで
華を…
「返して…」
しかし、私の想いなど届かない。
華はそのまま瞳を閉じて意識を飛ばした。
「華!!華!!目を開けて!華!!」
華を抱きしめて何度も名前呼ぶ。
それでも華が目を覚ますことはなかった。