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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
『母さんも…父さんも…死んだのに…美弥だけ幸せになるのが…許せなかった…麻耶はひとりなのに…葉月と幸せになろうとしている美弥が…許せなかった…同じ時に生まれて…同じように育ったのに…僕と麻耶を忘れて…美弥と葉月が幸せになるのが許せなかった…』
身体を縮こませ震えながら想いを口にする。
『…だから…地獄に堕ちればいいって…苦しめばいいって…一番…美弥の心を抉るような言葉を言った…』
膝の上に顔を埋めていた南和は顔を上げて、麻耶を見てにっこりと笑った。
『美弥の顔は苦痛に歪み、僕が欲しかったそのものだったよ。これで美弥も不幸になる。僕や麻耶と同じ不幸になって…不幸になって…』
『南和…私は不幸じゃなかったよ。姉様はずっと優しかった。どんな時も私の事を一番に考えてくれた。傍にいてくれた。あんな酷いことをしても許してくれたの。』
『じゃあ…どうしてあんなこと僕に頼んだの?ぐちゃぐちゃにしてって…殺してって…僕…麻耶の願い叶えたんだよ?』
『…ごめんなさい…本当に望んでいたのは…姉様が私を見てくれることだったの。葉月ではなく…。…葉月と姉様が仲良くしているとね。除け者にされている気がしたの。私の姉様なのにって…だけど…私自身それに気がつかなかった。…ずっと葉月が好きだって思ってたの。だけど違った…私が本当に望んでいたのは姉様の心…葉月の心じゃなくて姉様の心だったの』
麻耶は自分で気がついた本当の想いを初めて口にした。
その言葉が南和には理解できなかった。
身体を縮こませ震えながら想いを口にする。
『…だから…地獄に堕ちればいいって…苦しめばいいって…一番…美弥の心を抉るような言葉を言った…』
膝の上に顔を埋めていた南和は顔を上げて、麻耶を見てにっこりと笑った。
『美弥の顔は苦痛に歪み、僕が欲しかったそのものだったよ。これで美弥も不幸になる。僕や麻耶と同じ不幸になって…不幸になって…』
『南和…私は不幸じゃなかったよ。姉様はずっと優しかった。どんな時も私の事を一番に考えてくれた。傍にいてくれた。あんな酷いことをしても許してくれたの。』
『じゃあ…どうしてあんなこと僕に頼んだの?ぐちゃぐちゃにしてって…殺してって…僕…麻耶の願い叶えたんだよ?』
『…ごめんなさい…本当に望んでいたのは…姉様が私を見てくれることだったの。葉月ではなく…。…葉月と姉様が仲良くしているとね。除け者にされている気がしたの。私の姉様なのにって…だけど…私自身それに気がつかなかった。…ずっと葉月が好きだって思ってたの。だけど違った…私が本当に望んでいたのは姉様の心…葉月の心じゃなくて姉様の心だったの』
麻耶は自分で気がついた本当の想いを初めて口にした。
その言葉が南和には理解できなかった。