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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
首に添えてある手に力を込める。
『地獄に堕ちるのも一緒だよ…大丈夫…すぐに僕も逝くから…先に逝って待ってて…』
『みな…わ…?』
徐々に力をこめていく手に麻耶の首は絞められていく。
恐怖心と申し訳なさを思いながら麻耶は抵抗しなかった。
『向こうに行ったら…前みたいにみんな仲良く過ごせるかな?葉月や美弥は僕の事…見てくれるかな?僕…いらない子…じゃないよね…』
南和はひとりブツブツと言いながら手に力を込める。
『あ゛…』
一層手に力が入り、呼吸もできなくなる。
『麻耶…愛してるから…ずっと愛してる…』
南和は涙を流しながらも愛を囁き、愛する者の最後を見つめながら微笑む。
それは麻耶が一度は望んだ事と同じ。
愛する者を手にいれるために命を奪う行為…
『何をしてる!!』
怒鳴り声が響いたと思った瞬間に、南和の手は麻耶の首から離れ吹き飛ばされた。
その衝撃で南和は気を失った。
そして麻耶は荒い息をしながらも命をつなぎとめていた。
『麻耶…大丈夫か?』
和尚は麻耶の背中を擦りながら聞くと、麻耶は返事をせずに頷いた。
『よかった…。』
『だから私は言ったんです…こんな男は役所に引き渡した方がいいと…』
妙仁は気を失っている南和を足で蹴飛ばし仰向けにした。
『妙仁!!』
和尚は妙仁の名をきつく呼んだ
『お前は…それでも僧侶か…。…鉄斎を呼んでこい…お前に用はない』
容赦ない物言いで、妙仁を切り捨てた。
妙仁は不服な表情を残したまま何も言わずに出て行った。
『地獄に堕ちるのも一緒だよ…大丈夫…すぐに僕も逝くから…先に逝って待ってて…』
『みな…わ…?』
徐々に力をこめていく手に麻耶の首は絞められていく。
恐怖心と申し訳なさを思いながら麻耶は抵抗しなかった。
『向こうに行ったら…前みたいにみんな仲良く過ごせるかな?葉月や美弥は僕の事…見てくれるかな?僕…いらない子…じゃないよね…』
南和はひとりブツブツと言いながら手に力を込める。
『あ゛…』
一層手に力が入り、呼吸もできなくなる。
『麻耶…愛してるから…ずっと愛してる…』
南和は涙を流しながらも愛を囁き、愛する者の最後を見つめながら微笑む。
それは麻耶が一度は望んだ事と同じ。
愛する者を手にいれるために命を奪う行為…
『何をしてる!!』
怒鳴り声が響いたと思った瞬間に、南和の手は麻耶の首から離れ吹き飛ばされた。
その衝撃で南和は気を失った。
そして麻耶は荒い息をしながらも命をつなぎとめていた。
『麻耶…大丈夫か?』
和尚は麻耶の背中を擦りながら聞くと、麻耶は返事をせずに頷いた。
『よかった…。』
『だから私は言ったんです…こんな男は役所に引き渡した方がいいと…』
妙仁は気を失っている南和を足で蹴飛ばし仰向けにした。
『妙仁!!』
和尚は妙仁の名をきつく呼んだ
『お前は…それでも僧侶か…。…鉄斎を呼んでこい…お前に用はない』
容赦ない物言いで、妙仁を切り捨てた。
妙仁は不服な表情を残したまま何も言わずに出て行った。