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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
入っている指を動かせば、麻耶の身体は歓喜に喜ぶ。
もっと気持ちよくなりたいと腰を動かし、自分のいい場所に指を誘導する。
時がたっても、麻耶の乱れる姿は南和を虜にする。

『アアゥッ…ンンンッ』

南和の着物を握りしめて声を殺して耐えていく。
ここはお寺で、見つかればただではすまされないことぐらいふたりは分かっていた。
それでも止まらないふたりの欲は増していく。

『きっ…気持ち…っいい』

麻耶の一言が南和を狂わす。
今も昔も変わらず麻耶の身体に…心に夢中になる。
それが愛情だと南和は気がつかない。
寂しい心を埋めるために誰でも良かったと思う心の奥底に眠る本当の想いに気がつくことはなかった。
それでも自然と身体は麻耶を求める。
麻耶の全てが欲しいと。
麻耶の暖かな中に迎えられたいと…

『アアアッ…っみな…わもっ…ンンンッ…一緒がイイ…』

自分だけイクのは嫌で、南和と一緒にイキたいと懇願する。
その言葉に、麻耶の体内に入っていた指が止まる。

『入れて…いいの?こんな僕を受け入れてくれるの?』

怯えた瞳を持つ南和を見て麻耶は頷いた。
その奥に見え隠れする雄の部分が麻耶を惑わす。

『入れて…どこまでも一緒って言ったよ…地獄より辛いかもしれないけど…死ぬまで一緒…だから…その証…ちょうだい?』

南和の心がざわりとする。
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