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遠い日の約束。
第15章 残された者の哀しみ
押さえていた手を離して麻耶を抱きしめ、首元に顔を埋めた。

『麻耶…ありがとう…僕を…救ってくれて…ありがとう…』

麻耶に届くか届かないか分からない程、小さい声で南和は告げた。
その言葉が意味するものは…
今、南和が何を考えていたのかなんて、麻耶にはわからなかった。
分かるのは、南和が自分を愛してくれているということだけだった。

『アアアッ…みなわっ…愛してる…これからも…愛してる…』

麻耶は押し寄せる波を感じながら愛の言葉を紡ぐ。

『僕も愛してる…ずっと心は傍にあるから…』

奥深くを責めていた南和は、一度引き抜き一気に奥深くまで突き上げる。
突き上げるたびに麻耶の快楽は登り詰め弾けそうになる。

『イヤァァァ…アアアアアア』

一際大きな喘ぎ声をあげて、身体は大きく反りかえり激しくイッた。
そしてあまりの激しさに麻耶は意識を手離した。
それが分かった南和は動きを止めて、麻耶をきつく抱きしめた。
麻耶の温もりを忘れぬために長い時間抱き続けていた。

麻耶が目を覚ましたのは、太陽が沈み始めた頃だった。
眩しい光に目を覚ました麻耶は、傍にいない南和を探した。
寺の中をくまなく探しても南和の姿はどこにも見当たらなかった。
その状況を知らされた和尚は僧侶に探しに行かせた。
麻耶も探しに行くと言い張るのを説得し、ふたりは南和が連れ戻されるのを待つしかなった。
しかし、南和が生きて帰ることはなかった。
麻耶の元に戻った南和は、もう息をしていなかった
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