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遠い日の約束。
第19章 後始末
「マジで飛び出したんだな…」

その散らかった室内を見て、必要な物だけ手に取り飛行機に飛び乗ったんだろうと、想像なんて簡単にできてしまう。
だけど、その飛行機の中で華の安否だけを願い続けというのはどんなに辛いことか…。
ただじっと飛行機の座席に座ってなければならない歯痒さは狂いそうになるに違いない。
俺だったら耐えられない。

立花からの留守電に気がついたのは、最初に着信があった1時間後だった。
その間に部長からも何度も連絡が入っていた。
立花の留守電を聞いた時、背筋がぞっとした。
それと同時に怒りがこみ上げてきた。
今すぐにあいつを殴りたい…許すのなら殺してやりたいとも思えるほど俺は怒りが溢れていた。
それを戒めたのは部長だった。

『一番に草野の安否を考えろ』

低く、そして強い口調で言われ俺は冷静を取り戻した。
それからは最善の方法を考え話し合って、俺が空港まで迎えに行くことになった。
空港で見た立花は意外と冷静でびっくりするほど。
バイクの後ろに乗せ、今までの経緯を聞けば、とんでもなことをやっていた。
それでも、考えることは一番に華のこと。
華に対する愛情をヒシヒシと感じた。
これじゃあ、勝てるわけもない。
前から分かってたけど…もう完敗だと思えた。
そう思うと心は晴れやかですっきりとした気分になった。
華が幸せなら俺はそれが一番だから。
だから、あいつを許さない。
あいつをそそのかした篠原も黙って見過ごすわけにはいかなかった。
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