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遠い日の約束。
第19章 後始末
華が病院に運ばれ、一旦は家に帰って戻っても、華が意識を取り戻すことはなかった。
憔悴しきった立花を見てひとりにさせるわけにはいかないと思い、篠原の件は俺に一任してもらい、部長には立花の傍についててもらうことにした。
飛行機に乗って篠原がいるホテルについたのは夕方を少し過ぎた頃だった。
フロントで俺の身分証明と簡単ないきさつを話し、部屋に入ることを許可してもらった。
そして、今、立花が使っていた部屋にいる。
乱雑に脱ぎ散らかした服。
ボストンバックから何かを探したような跡が立花の切羽詰まった様子を伺わせる。
俺は、散らかっていた荷物をボストンバックに詰め込んで、この部屋を後にする。
向かうのは最上階、スイートルーム。
一度深呼吸をしてノックをする。
だけど、人の気配はしなかった。
もしかして逃げた?
あいつが捕まって篠原が逃げられるわけもない。
何度かノックしても返事が返ってくることはなかった。
どうするか悩んでいると、廊下に電話が置いてあることに気がつき、その電話でスイートルームの番号を押す。
何度目かのコールで、カチャリと受話器が上がった。

「……」

篠原は警戒しているのか何も喋らない。

「篠原か?」

「…はい…」

かろうじて返事はしても、その声に覇気がない。

「俺だ。三宅だ。部屋の前にいる…開けてくれ」

篠原は何も言わずに電話を切り扉を開けた。
出てき篠原はガウンを羽織り青白い顔をして、いつもの華やかな雰囲気は全くなかった。
俺が扉に手をかけると、無言で中に入りソファーに力なく座り、怯えているようにも感じた。
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