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遠い日の約束。
第20章 愛の証
考えていると寝室のベッドの隅からカタンと言う音が聞こえた。
ゆっくりとカーテンを開くと、絹子が震えながら小さくうずくまっていた。

「絹子…」

名前を呼ぶと、ビクッと身体を震わせ息を止めたかのように固まった。


「大丈夫。私だよ…分かる?翔…幼馴染の翔だよ」

優しく声をかけても反応を示すことはない。
完全に過去に囚われて、あの時に気持ちが引きずり込まれているのが分かる。
怖くて、恐ろしくて、孤独で…負の心しかない過去に絹子ははまり込んでいる。

「絹子…一人にしてごめんね…ずっと傍にいるから…私はここにいるから…」

こおなったら根気良く言葉をかけるしかない。
どんな言葉に反応するかなんて、その時々によって変るから簡単に引き戻すことなんてできなかった。
それでも、絹子の心が戻るように、優しく時間をかけて言葉を掛け続けた。
そんな時、夢の泣き声が聞こえてきた。
その声にピクッと身体を震わせる絹子。
そして絹子の視線が自然と夢に向く。
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