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遠い日の約束。
第20章 愛の証
「そうですか…華ちゃんも辛いでしょうね…近々、絹子を連れてお見舞いに行きます。絹子も華ちゃんと話したいと言っていますから」
腕の中では心配そうな顔で私たちの会話を聞いている。
「同じ苦しみを味わったふたりにしか分からないこともあるでしょうから…華ちゃんが落ち着いたら伺います」
『そうか…絹子さんにとっても同じ苦しみを持つものとのふれあいも必要かもしれんな。また何かあったら連絡を入れる。』
「お願いします」
電話を切ると、絹子は私の服を引っ張って心配そうな顔を向けてくる。
「華ちゃん意識を取り戻したらしいよ。混乱してるけど俊樹さんだけは大丈夫みたいだ。落ち着いたらお見舞いに行こうな。」
絹子は頷いて、また私に寄りかかってくる。
その頭に手を回してポンポンとあやすように軽く叩く。
「大丈夫。絹子に私がいたように、華ちゃんには俊樹くんがいるから。きっと大丈夫…」
何度も何度も大丈夫だと言い聞かせる。
これからだって必要なら何度だって「大丈夫」だと伝える。
それが何十年続こうと、死ぬその時まで私は絹子に言い続けるだろう。
それが私が絹子を愛している証…
FIN
腕の中では心配そうな顔で私たちの会話を聞いている。
「同じ苦しみを味わったふたりにしか分からないこともあるでしょうから…華ちゃんが落ち着いたら伺います」
『そうか…絹子さんにとっても同じ苦しみを持つものとのふれあいも必要かもしれんな。また何かあったら連絡を入れる。』
「お願いします」
電話を切ると、絹子は私の服を引っ張って心配そうな顔を向けてくる。
「華ちゃん意識を取り戻したらしいよ。混乱してるけど俊樹さんだけは大丈夫みたいだ。落ち着いたらお見舞いに行こうな。」
絹子は頷いて、また私に寄りかかってくる。
その頭に手を回してポンポンとあやすように軽く叩く。
「大丈夫。絹子に私がいたように、華ちゃんには俊樹くんがいるから。きっと大丈夫…」
何度も何度も大丈夫だと言い聞かせる。
これからだって必要なら何度だって「大丈夫」だと伝える。
それが何十年続こうと、死ぬその時まで私は絹子に言い続けるだろう。
それが私が絹子を愛している証…
FIN