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遠い日の約束。
第21章 運命(さだめ)
どうしてこの子たちは幸せになれないのか。
前世で御仏に背く行いをしたわけでもない。
どちらかというと、正しく生きてきた方だ。
御仏に背を向けられるような子たちじゃないのに…いつも御仏は彼女に背を向ける…




そんな事を思いながら、ベッドの上で眠っている草野の髪に触れて本当の娘のように心を痛めている。
一度は意識を取り戻した草野は「ここは…?…私は…?」と言葉を発した。
今自分がどこにいるのか分からず困惑しているようだった。
彼女の母親が触ろうとすると怯えてかのように震えて、ギュッと目を閉じて拒絶した。
娘に拒絶された彼女の母親は悲痛な表情で父親に縋って静かに涙を流していた。
そんな中、立花が声をかけると、草野はポロポロと大粒の涙を流しながら立花にしがみついて泣いていた。
草野がどこまで思い出したのか分からない。
だけど、両親さえ拒絶した草野が立花の手を取ったのだけが救いだった…いや・・・救いだと思いたい。
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