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遠い日の約束。
第21章 運命(さだめ)
「部長…華は大丈夫でしょうか…前世を思い出して…」

草野の手を握り締めている立花が口を開いた。

「正直…何とも言えない…草野の…美弥の記憶は美弥が心を閉ざすほど悲惨だった。俺たちでさえ目を背けたくなるようなそんな出来事ばかりだ。それを草野が受け止められるか…焦らずに行くしかあるまい…今も昔も…俺たちは見守るしかでできない…」

そう、あの時も見守り続けるしかなかった。
誰も手を貸してやることはできない。
ただふたりに寄り添って、より良い環境を作り上げてやるしかなかった。

「立花…時間はいくらかかってもいい…必ず草野を取り戻せ。次の世では幸せにすると約束したのならそれを果たせ…会社だったらいくら休んでもいい。これは会社のミスだ。
高宮みたいな男を雇った会社の責任だ。草野の心が落ち着いて穏やかに過ごせるようになるまで会社で面倒みるように上に訴えてやる。」

「部長…?」

力なくみつめてくる立花の目を見返すことは今の俺には辛い…
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