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遠い日の約束。
第22章 自責の念
「何があったのかは知りませんが…落ち着いたら一緒に手を合わせに行きましょう。それが亡くなった人への供養…生きている者としての責務です」
藤世の言葉に宝賀は、はらりと涙をこぼす。
それから宝賀は笑わなくなった。
昔のように無表情に人を寄せ付けない態度に、藤世も困惑し身重の身体で心配をする。
宝賀の心の中には後悔の念しかなかった。
もし、あの時、南和に出会わなければ…
もし、あの時、南和の申し出をうけなければ…
もし、あの時、美弥を犯し侮辱しなければ…
あの時、あの時、あの時…
自分が犯した罪の重さと後悔が重くのしかかり身動きが取れなくなっていた。
美弥と葉月が命をたって幾日も過ぎた頃、南和も同じ湖で命を絶ったと風の便りで耳に入ってきた。
宝賀は南和の心をどこかで感じ取っており、南和はふたりの後を追っていったのだと理解した。
美弥はきっと南和を許すだろと思った宝賀は、誰にも知られず、そっと手を合わせていた。
藤世の言葉に宝賀は、はらりと涙をこぼす。
それから宝賀は笑わなくなった。
昔のように無表情に人を寄せ付けない態度に、藤世も困惑し身重の身体で心配をする。
宝賀の心の中には後悔の念しかなかった。
もし、あの時、南和に出会わなければ…
もし、あの時、南和の申し出をうけなければ…
もし、あの時、美弥を犯し侮辱しなければ…
あの時、あの時、あの時…
自分が犯した罪の重さと後悔が重くのしかかり身動きが取れなくなっていた。
美弥と葉月が命をたって幾日も過ぎた頃、南和も同じ湖で命を絶ったと風の便りで耳に入ってきた。
宝賀は南和の心をどこかで感じ取っており、南和はふたりの後を追っていったのだと理解した。
美弥はきっと南和を許すだろと思った宝賀は、誰にも知られず、そっと手を合わせていた。