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遠い日の約束。
第22章 自責の念
「これが美弥の身に起こった全てです…俺が…美弥を死に追いやった。一緒にいて救われたから恨んではないと言われても俺がしたことが消えるわけでもない…子供が生まれて父親になって初めて自分の罪の深さに気がつきました」
声の震えと、途切れ途切れになる言葉に、己の罪の深さを悔やんでいるのが和尚には伝わる。
だからと言って、簡単に許せる事でもなかった。
和尚は握りしめている拳に力を込めて、怒りを抑えようと必死だった。
そして、天を仰ぎ瞳を閉じ何度か深呼吸をする。
「それで…お前はわしに何と言ってほしいのだ?許しを請いたいのか?それとも罰を与えて欲しいのか?」
和尚は冷たい言葉で宝賀に言い寄る。
宝賀は一瞬、身体を揺らし、何も言わずに深く頭を下げ続けた。
「ただ…誰かに話して罪の意識を軽くしたいだけか?話をして少しは楽になっただろうよ。お前はな!!」
語尾を強める和尚の怒りを宝賀は肌で感じた。
「わしに罪を告白し、御仏に許しを請うても、お前が犯した罪が消えるわけはない。軽くなるわけではない。何のためにここに来たのか、自分自身に問うことだ。…それが分からない限り、お前の心が晴れることも許されることもない」
和尚はそれだけ伝えると部屋を出て行った。
残された宝賀は頭を上げることもなく、和尚の言葉を考えていた。
声の震えと、途切れ途切れになる言葉に、己の罪の深さを悔やんでいるのが和尚には伝わる。
だからと言って、簡単に許せる事でもなかった。
和尚は握りしめている拳に力を込めて、怒りを抑えようと必死だった。
そして、天を仰ぎ瞳を閉じ何度か深呼吸をする。
「それで…お前はわしに何と言ってほしいのだ?許しを請いたいのか?それとも罰を与えて欲しいのか?」
和尚は冷たい言葉で宝賀に言い寄る。
宝賀は一瞬、身体を揺らし、何も言わずに深く頭を下げ続けた。
「ただ…誰かに話して罪の意識を軽くしたいだけか?話をして少しは楽になっただろうよ。お前はな!!」
語尾を強める和尚の怒りを宝賀は肌で感じた。
「わしに罪を告白し、御仏に許しを請うても、お前が犯した罪が消えるわけはない。軽くなるわけではない。何のためにここに来たのか、自分自身に問うことだ。…それが分からない限り、お前の心が晴れることも許されることもない」
和尚はそれだけ伝えると部屋を出て行った。
残された宝賀は頭を上げることもなく、和尚の言葉を考えていた。