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第2章 動き出し運命

そのまま彼の家に到着し部屋にあがった。
私のために洋服を入れる場所を作ってくれていたのか一角だけ何も入っていなかった。
そして食器類・歯ブラシなど日常で必要なものが全てそろっていたのには驚いた。
立花さんいわく、私が家に戻っている間に買い物にいってくれたらしい。
自分の荷物を片付け、彼が用意してくれた、おしゃれなおつまみとワインとで新しい生活の始まりに乾杯をする。
甘いワインは、水のようにスッと喉を通入っていく。
余り強くない私は、それだけで軽く酔っ払ってしまった。
ほんわかする体が、立花さんに抱かれて居心地が良すぎて夢の世界へと流されそうになる。

「もう寝る？」

顔にかかった髪の毛を耳にかけながら優しく聞かれると私は黙って頷いた。
この三日間だけで色々とありすぎて精神的にも体力的にも疲れきっていた。

「明日から仕事だからね…」

その言葉に立ち上がろうとすると、それより先に抱きかかえられ、とっさに立花さんの首にしがみつく。