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遠い日の約束。
第3章 言い伝え
その瞳がウルウルしているように見えて私の心はキュンとなる。
いつもと違う立花さんをいっぱい見れてうれしい反面、対処が追いつかなくてテンパって行く。

「んっ?俊樹って呼んでごらん?」

甘えてたと思ったら、次は上から目線。
有無を言わさぬ瞳につられて名前を呼んでしまう。

「俊樹…さん…」

その瞬間、くしゃっと顔が崩れ破格の笑みを浮かべた。

「やっぱり、名前で呼ばれると近くなった気がするね。それと敬語も禁止、分かった?華」

「…はい…」

「はいじゃなくて、うん…かな」

真っ直ぐ見つめあれる瞳に負けて少し崩してみる。

「うん…今度からは普通に喋る…ね?」

ぎこちなく喋るとクスクスと満足げに笑った。
そうして、唇を重ね合わせる。
舌が分け入って私の舌と絡み合う。
優しくて、人を引き付けるキスをまた今日も繰り返す。
まだ陽が高く、外ということもあり恥ずかしくもあり回りが気になってしまう。
だけど立花さんは気にしていないようで段々とキスが深くなる。
だから私も求めてしまう。
もっと深く、もっと激しくと。
そして求めたら求めた分、返してくれる。
だから錯覚してしまう。
俊樹さんも私の事を好きなんじゃないかって

「何を考えているのかな?」

唇を離した俊樹さんが少し不機嫌そうな表情で見ていた。
本当の事を言えない私は気になっていたことを口にした。

「あの…いつもキスだけ…その…とっ…俊樹…さんは我慢できてるの?」

私の言葉が分からないというような表情をする。
どう伝えていいのか。
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