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遠い日の約束。
第3章 言い伝え
「その…途中から当たってるの…俊樹さんの…モノが…」

顔を背けて言いたいことを頑張って口にすれば、やっと言いたいことが伝わったようだった。

「これね…。あんな濃厚なキスして反応しない男はいないと思うよ。…そんなこと聞くってことは華が相手してくれるのかな?」

顔を背けたままだったから俊樹さんがどんな表情でそれを言ったのか分からなかった。
私もどう返事して良いのか分からず固まっていると、いつもみたに頭をポンポンと叩いて私を立ち上がらせ俊樹さんも立ち上がった。

「冗談だよ。それより、そろそろ夕食の準備でもしようか…華はそこに座っていていいから…無理はしないでね。」

何もなかったかのように私に背を向けて準備を始める。
私の心を気遣うことを忘れずに。
俊樹さんは器用にキャンプでの定番のカレーを作り始めた。
ご飯は先ほど飲んだビールの缶で作るらしく、研がないでいいお米をと水を入れてアルミで蓋をし網の上に乗せた。
カレーは鶏肉だけのチキンバターらしくこれも思ったより簡単に出来上がる。
そして、夜のつまみにと燻製の準備も始めた。
手伝う余地さえなく私はただ見ていることしかできなかった。
30分もすれば燻製以外の物はできあがった。

「食べようか」

短時間の内にテーブルの上にはカレーと野菜サラダとスープとビールが並べられていた。
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