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SEASON
第2章 春は出会いの季節

「そう、海斗先生が教えてくれた」

よくできました、とでも言うかのように
指がまぁるく円を描く。

「こういうのって、自分の経験とかされたいことから妄想して書くんでしょ?だから、海斗先生と同じことしたら喜ぶのかなぁって」

「女みたいに責められて喜ぶワケないだろ…」

「そうかなぁ?僕にはすごく喜んでるように見えるけど」

「なら、お前の目はそうとう腐ってんな」

「そーゆーこと言うんだ……どうなっても知らないよ?」

そう言いながら、グイッと俺のネクタイを引く。
表情は変わらないのに、発する空気が一瞬で冷たくなったのがわかる。
しまった…言葉の選択ミスか。
今さらながらに後悔する

掴まれていたネクタイが解かれ、シュルリと抜ける。
夏目はさらに無言でシャツのボタンを外していく。
とっさにその手を掴み、動きを阻んだ。
もし小説をなぞって動いているのならば、この先の展開はまるで悪夢だ。
何とかして止めないと…

そんな俺を見て夏目がニヤリと笑う
“ヤバい”と思ったときにはもう遅く、
一瞬でふり払われた両手は、夏目の手により頭上に繋ぎ止められてしまった。

「海斗先生はこんなことしてないけど…この方が燃えるでしょ?」

片手で器用に残りのボタンを外す。
露わになった肌に冷たい手がそっと触れる。

「今からメチャクチャにしてあげるから」

手の自由を完全に奪われて、嬲るような言葉を浴びせられ、
どうやら、小説通りよりも酷い悪夢を見ることになりそうだ…

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