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第1章 目の前に立つのは…

その夜、自宅にて。

吉川と比べて落ち込む綾香に対して唯は理解を示し、綾香が遠距離恋愛をしている先輩は「くだらない」との一言だった。

『所詮女は添え物じゃん、雑用係っていうかさ』

『先輩それどういう意味ですか？』

『セックスと一緒、股を開いて男を悦ばすだけじゃん、っていうか森部さんは男を悦ばすまでいってないけど。やべ、デリバリー来たから』

電話は切れていた。

先輩はあたしとの電話よりデリバリーが大切ですか？そして先輩はあたしに彼女としての魅力がないって事なんですよね？

ホテルに連れていかれて押し倒されたけど先輩に言わせるとあたしは濡れない女なんだって………

遠距離恋愛になったのはあたしのせいだと先輩はあたしを責める。

あたしは先輩との付き合いが楽しいと思えるの？
ただ一番辛い時に思い出のあの人を忘れさせてくれたのは感謝してる。
だけどつめたすぎるの…

あの人みたいにあたたかく優しい態度で接してよ…

恋も仕事も思いどうりにいかないの………

もう一度唯に電話をする事は親友とはいえ悪い気がして唯ですっきりした気持ちは先輩でボロボロになった。

綾香はうつぶせになり枕を濡らしながら泣いた。